料理の味を引き立てる調味料
酢というのは醸造酢と合わせ酢に分けられます。醸造酢はアルコール分を原料に酢酸菌によって発酵させたものです。この醸造酢に調味料を合わせたものが合わせ酢ですね、醸造酢は原料によって種類が違います。米を使った酒が原料ならば米酢、麦やトウモロコシが原料ならば穀物酢などで、一定の比率で調味料を合わせたのが合わせ酢です。
酢の味覚の特徴は酸味!しかし酸味がメインではあるが酢を加える事でソースや素材そのものを引き立てたり味と味をつなげるなどの効果もあり調味料として考えた時はまさに魔法の調味料です。
酢の基礎知識
酢は種類によって使う用途が大きく変わります。代表的な酢を紹介しよう。
醸造酢
穀物酢 麦や大麦、トウモロコシなどの穀物を原料にアルコール発酵し、そのアルコールに酢酸菌を加えて醸造(発酵)させたもの。幅広く使える酢で、ピクルスや加熱料理に向いてます。
米酢 米を原料にアルコール発酵させて醸造した酢です。酸味と甘味に旨味とバランスの良い酢で酢飯や酢の物に向いています。
粕酢 酒粕を熟成させて原料にした酢で、旨味の宝庫とも呼ばれています。濃い味わいは醤油との相性もよく、味噌に粕酢を加えるとコクと旨味が増えます。酢味噌を作るときは是非試してもらいたい。
黒酢
米が原料だが、米酢との違いは原料が麦と玄米であることだ。黒酢は長期間の自然発酵により黒っぽい琥珀色とまろやかな甘味と旨味が発生します。酢豚や餃子のタレなど中華料理にも相性抜群です。
果実酢 りんごやブドウの果汁をアルコール発酵させて醸造した酢で、芳醇な果実の甘味が特徴です。マリネやドレッシングに向いている酢ですね。
合わせ酢
寿司酢や三杯酢など塩、砂糖、醤油などを加えて酸味を暖和させた酢のことを指します。酢と砂糖で甘酢、酢と塩で塩酢など様々な合わせ酢があります。食材を漬け込んだり漬けタレとしたり、魚を締めたりと使う用途も様々です。
酢の効果
減塩効果
酢には塩味を引き立てる効果がありますので料理に使う際に塩を減らしても塩味を感じられます。よって減塩効果が得られます。サラダやマリネで酢を利用するときは塩を減らしても味が引き立てられますよ。
香りを引き立てる
酢は香りを爽やかに引き立てます。ライムやミントのデトックスウォーターやハチミツレモンに酢を少量入れると香りが豊かになります。
消臭効果
香りが強い食材を使う場合、酢はその香りを包み込みまろやかにする効果があります。クセの強い匂いを抑え、旨味とコクを引き立てます。人参の塩もみなどで使うと独特の香りを抑え人参の豊かな風味が残ります。
素材に浸透
酢は素材に対する浸透性が非常に強く、少量の酢でもしっかり浸透して味を調える効果があります。肉の煮込み料理で使うと柔らかく深い味わいに変化します。
風味を加える
酢の風味は料理をさっぱりと爽やかにする効果があります。魚の脂も爽やかに包み込み旨味を引き立てます。しめ鯖の脂も爽やかな旨味にします。
保存効果
酢の酢酸には殺菌効果があるので酢を染み込ませることで、ある程度の長期間保存が可能となります。ピクルスや南蛮漬けが代表的な料理です。
味を調える
酢は調味料と食材を融合させることで、それぞれの良さを引き立てる効果があります。
甘酢に反応したミョウガの色素が色鮮やかな紅色に変化
ワインビネガーとバルサミコ酢
お互いにブドウ果汁を原料とし、バルサミコ酢はワインを長期間熟成させたイタリア生まれの酢に対してワインビネガーはフランス生まれの酢でワイン同様赤と白があります。
イタリアではパスタ同様で政府がバルサミコ酢の規律も決めており、12年以上の熟成期間を得て始めてバルサミコ酢と認められます。有名なバルサミコ酢でトラディッツィオナーレがありますが、12年熟成で1万超え、25年もので3万ぐらいしますねw
熟成1年のバルサミコ酢もありますが、熟成期間が長いほど少量で旨味、コク、風味がしっかりつきますね!